Executive Presenceの“新ルール”と、Grace Japonが考える“本質的プレゼンス”

2024年1月、Harvard Business Review(HBR)は「Executive Presence」の再定義に関する特集記事を発表しました。
▶︎ The New Rules of Executive Presence – HBR

記事では、従来の“カリスマ型リーダー像”が通用しなくなりつつある今、プレゼンスを「共感」「文脈適応」「関係性を築く力」といった軸で再定義する必要があると語られています。
この変化は、Grace Japonが長年問い続けてきた「本質的な存在の伝わり方」と、深い共鳴を持っています。

本記事では、HBRが提起した“プレゼンス再定義の視点”を紐解きながら、Grace Japonが考える「整える」から「設計する」へのシフト、そして、Identityと一致したプレゼンスの重要性についてお話しします。

■ 「Executive Presence」の時代的変化

HBRは、従来型のプレゼンス──「自信に満ちた佇まい」「堂々とした話し方」「洗練された見た目」──が、いまや多様性や共感性に欠けるステレオタイプであると指摘します。

代わって重視され始めているのは、以下のような要素です:

  • 自己認識と内省力
  • 他者との関係性における感受性
  • 文脈に応じた柔軟性と共鳴力

つまり、「誰よりも目立つこと」ではなく、“場にどのような空気をつくるか”が問われているのです。

■ Grace Japonの定義:「プレゼンス=存在資本」である

私たちGrace Japonでは、プレゼンスを単なる外見や振る舞いの問題として捉えていません。
その人が“何として存在しているか”が無意識に伝わる状態こそが、真のプレゼンスであると考えています。

そして、そのプレゼンスは、戦略的に構築できる「資産」でもあります。

・ 表面的には整っているのに、伝わらない
・ 話しているのに、意図がズレて届いてしまう
・ リーダーとして発信しているのに、自分自身がしっくりこない

このような“プレゼンスのズレ”は、表現技術ではなく、Identityとの整合性の欠如から生まれます。

■ “自己流プレゼンス”の限界とは

これまでの経験や実績に裏打ちされた「自分なりの見せ方」は、多くの場合、一定の評価を得ることができます。
しかし、キャリアが成熟し、影響力が問われる立場になるほど、自己流では通用しない瞬間が訪れます。

なぜなら、プレゼンスは“演出”ではなく、“判断の背後にある存在”から伝わるものだからです。

・ 「伝える」ではなく「伝わる」
・ 「装う」ではなく「一致する」

それができたとき、プレゼンスは“信頼そのもの”として機能しはじめます。

■ 「印象を整える」から「存在を設計する」へ

Grace Japonのアプローチは、外見だけの整備ではなく、その人の判断・感性・信念との整合性をもった印象設計です。
それは、単なるスタイリングや印象コンサルティングとは一線を画します。

私たちが提供するセッションは、こうした問いに向き合う方々にとって、
“存在の設計”という新たな思考回路を開くプロセスです。

■ まとめ:グローバルな視座と、自分自身への再接続

HBRが提示した「新しいプレゼンスのルール」は、まさにこの時代の変化を映しています。
そして、Grace Japonではそのさらに先──“自分が何として存在し、どう選び、どう伝えるか”という深層を扱います。

整っているのに、なぜか進めない。
伝えているのに、どこか噛み合わない。

そんな静かな違和感を感じたときこそ、
「整える」ではなく「問い直す」ことが、次のフェーズの扉を開くのです。